腸内細菌は皆さんが食べた物からアミノ酸、ビタミン、ドーパミン、ヒスタミン、免疫刺激物など、人間が生きていくために必要な様々な物質の材料を作ってくれています。

ですが、「腸内細菌」と一言で言っても、私たちの体の中には多種多様な働きをする細菌たちがいます。

それなのに乳酸菌やビフィズス菌など一部の働きをする細菌ばかりを摂取することは本当に体にとって良いことなのでしょうか?世の中に出回っている商品や情報が本当に正しいものなのか、一度、考えてみましょう。

「乳酸菌」は体に良い!…って本当?

乳酸菌の働き

みなさん、「乳酸菌が体にいい!」という話はよく聞くと思いますが、乳酸菌は何をしてくれるかはご存じでしょうか?厚生労働省のHPを見ると乳酸菌は悪玉菌を減らし、免疫力を高めてくれる、と書かれています。確かに乳酸菌は私たちにとっていい働きをしてくれている一面もあるようです。

ですが、乳酸菌のデメリットって聞いたことありますか?

じつは、同一の乳酸菌を大量に摂取し続け、乳酸菌が大量に腸まで届いた場合、乳酸菌は他の細菌たちを殺し始めます。そのため元々いた細菌たちの働きが落ち、様々な機能が低下してしまいます。乳酸菌はとても強い菌なのです。

そもそも多種多様な細菌たちが必要なはずの腸内細菌に同一の乳酸菌だけを送り込んでバランスは整うでしょうか?逆に腸内細菌バランスは乱れてしまうかもしれません。

また、これだけ乳酸菌に関する商品が出回っているのに、なぜ生活習慣病もがん罹患率もアレルギーも増え続けているのでしょうか。

既に世界では、単一の細菌だけではなく多様な細菌の世界に目が向けられ始めています。なぜ、日本ではみんな口を揃えて乳酸菌乳酸菌と言っているのでしょうか。

なぜ乳酸菌信仰がなくならないのか

土壌・細菌研究家の佐々木淳氏が、乳酸菌を推奨するある先生に「腸内細菌が体中に必要な物質を作っているとしたら、乳酸菌だけでは無理ではないですか?」と質問したところ「私はそれをいえません」と言われました。

佐々木氏がどういうことかと調べてみると、腸内細菌の先生たちはみんな乳酸菌のメーカーから研究費をもらって研究しているから、乳酸菌の中からすごい奴を見つけなければならないということなのです。

この話について、みなさんはどう思いますか?

善玉菌だ悪玉菌だ日和見菌だは真っ赤なウソ

こんな話をすると、「乳酸菌は善玉菌で良い働きをする。悪玉菌の増殖を抑えてくれるんだ」という方もいるでしょう。ですが、これも真っ赤なウソを信じてしまった方の言い分です。

そもそも、人間の腸内にいる細菌の数は数千種類・数千兆個などと言われていますが、これは「現在の科学で分かっているだけの数」です。

土壌微生物学会という微生物の専門家の集まる場で「土壌中にはどのくらいの種類の細菌がいてどのくらい分かっているか」を聞くと、ある先生は全体の1%しかわかっていないといい、ある先生は全体の10%は分かっていると言います。要するに分母である全体の総数が分からないため、全体の細菌のうち何%分かっているかも分かっていない、ということで、これは腸内細菌についても同じでした。

つまり細菌についてはほとんど分かっていない、ということです。

先生たちは培養に成功した一部の細菌のことは詳しいのですが、全体をみていません。

なので、「こいつは人にとって良い働きをするから善玉菌だ」「こいつは病気のきっかけになるから悪玉菌だ」「こいつは良くも悪くもなく良く分からないから日和見菌だ」などと言っているのです。

大切なのは「バランス」を保つこと

もう分かりましたよね。善玉菌だ悪玉菌だ日和見菌だというのは全て人間の都合一つなのです。

生物が生きていけるように地球の環境を整えてくれているのは多種多様な細菌たちでした。細菌たちがバランスを保っていることで地球もバランスを保ち、私たち地球上で暮らす生物も健康でいられるのです。それなのに、私たちはそうした全体を見ずに一部の事象だけを見て生活してしまいます。

人間にとって悪い働きをすると思われている細菌も、細菌全体で見るとバランスをとるために必要な存在なのです。

バランスを崩すとどうなる?

汚いお話になりますが、みなさんは自分の便のニオイ嗅いだことありますか?自分のはいた息のニオイ、気にしたことないですか?年齢を重ねるごとにニオイがひどくなってきて、これらの便臭、口臭は年齢のせいだと思っていませんか?

違うんです。

前回のお話で、腸は口と肛門につながっているという内容がありました。実は、便臭も口臭も、元は腸から来ているのです。

良くない腸内細菌バランスを持っている方の便は、腸内でうまく分解吸収がされず、腐敗した状態で出てくるために、重々しく水に沈み腐敗臭のある便となります。お酒を多く飲んだ日の翌日など、前日食べた物によって便がひどいニオイになったことはありませんか?それは腸内細菌がめちゃくちゃな状態になっている証拠です。

口臭も同じです。口臭を気にしてタブレットやマウスウォッシュをする方がいますが、口臭の元々の原因は口の中ではなく腸なのですから、一生懸命口の中をケアしても無意味です。

それどころか、マウスウォッシュや歯磨き粉は殺菌成分で口付近の細菌を殺してしまいますから、口臭はよりひどいものとなってしまいます。

まとめ

健康でありたい。便臭や口臭が気になる方。腸内環境を整えたいというは「腸内細菌バランスを整える」ことを考えましょう。

それは決して善玉菌を増やす、ということではなく、発酵食品や加熱処理をしていない食べ物を積極的に食べたり、食品添加物を摂らない生活を心がけることから始まります。

コンビニや外食がアルコールの席が多い方、ちょっとした不調でも薬や抗生物質に頼ってしまう方も腸内細菌にとっては過酷な環境となります。

少しづつ自然に近い生活を取り入れながら、私たちが健康に生きるために働いてくれる腸内細菌にとって過ごしやすい環境を提供してあげることを心がけましょう。