腸内細菌ってどこから来たの?

生まれた時は無菌状態

腸内細菌は、生まれた時から元々腸に棲んでいるわけではありません。

お母さんの子宮内は無菌状態ですから、当然赤ちゃんの腸内も無菌状態で生まれてきます。

元々無菌状態だった腸に、いつの間にかうじゃうじゃ腸内細菌がいるということは、どこからか、入ってきたということです。

腸はどこと繋がっている?

では腸につながっているのはどこでしょうか?

それは、口とお尻の穴です。

お尻の穴はすぼまっていて出るばっかりです。となると口です。

口は、暖かくて湿り気があるので細菌が増殖しやすい仕組みになっています。その細菌が増殖するところでどの動物も物を食べるということは、増殖された細菌たちが食べ物と一緒に体の中に送り込まれる、ということです。

口からは、身の回りや環境中にいる細菌が体の中に入ってきます。

空気中や部屋の中には細菌がうじゃうじゃいますが、皆さんは怖がって消毒したり除菌したり、細菌を殺していませんか?

環境中の細菌たちが何をしていて、私たちとどう関わっているか。

実は生まれてからいつの間にか体の中にうじゃうじゃ棲みついた細菌たちは、あなたの体を守ってくれているのかもしれません。

壮大な地球と細菌の物語

酸素を作る細菌たち

細菌たちは自然界において何をしているのでしょうか?私たちの体の中にまで入り込んでいる彼らが何をしているかを考えることはとても大切なことです。

細菌たちが何をしているかを考えることは、地球の成り立ちを考えるとよくわかります。

細菌たちが地球に誕生したのは約40億年前と考えられています。細菌たちは太陽からの危険な放射能の届かない安全な海の底にいましたが、海底の噴火口から噴き出す無機化合物からエネルギーをもらっていた細菌は進化し、中には海の中を漂う有機物からエネルギーと炭素をもらう細菌たちも現れました。この細菌たちが空気中の二酸化炭素をエネルギーとし、酸素を放出します。それによって、地球上には酸素が充満されることになりました。そして、その中で酸素をエネルギーに生きていける細菌たちが生まれました。

ついに海から陸地に上陸

過酷な環境で生き残った細菌たちは、オゾン層が形成され生物にとって危険な紫外線が遮断されたことで陸地に上がることが出来ました。細菌が陸地に上がったことで、打ちあがった動植物の死骸に細菌が取り付いて分解が始まり、植物の栄養が出来ます。

細菌が土に栄養を作り出したことで、細菌に続き植物が上陸し、陸地の奥に進出していきます。そして、その植物を求めて動物たちも上陸していきました。

動物や植物が棲める環境は細菌が作っている

元々は動植物の棲める環境ではなかった地球ですが、海や大気の成分を一定に保ち、動植物が棲める環境にしたのは細菌たちなのです。

そして今、植物や動物、人間が暮らすことが出来るように環境を整えてくれているのも細菌たちです。

つまり、動植物が棲める環境を作ることが出来るのは、細菌たちだけなのです。

砂漠化したところにいくら草木を植えても植物はうまく育ちません。それは、細菌たちが植物を育む環境を作らなかったからです。

地球上も腸内も、動植物を分解する細菌であふれている

腸内細菌の正体

地球上は細菌であふれています。彼らがいなければ植物も動物も生きていくことが出来ませんし、死んだ後に分解されることもありません。

では、思い出してみてください。

私たちの腸に元々細菌はいませんでしたが、いつの間にか大量の細菌たちが棲みついていました。

腸への入り口は口です。口からは常に植物や動物などの有機物が送り込まれます。

私たちの生活する環境中にはたくさんの動植物を分解する細菌であふれている。

ということは、食べ物と一緒にこの細菌たちが体の中に送り込まれており、腸内にいる細菌たちは動物と植物を分解する細菌たちであふれているということです。

土壌菌=腸内細菌

良い土壌を調べてみると、そこにいる細菌たちは大きく分けて「たんぱく質」「でんぷん」「油脂」「セルロース」をそれぞれ分解する4つのグループに分けられることが分かりました。じつは、これらの4つの働きをする細菌たちがいると、有機物をすっかり分解してしまうのです。つまり、これらの4つの働きをする細菌たちが満遍なくいることが良い土の条件といえるのです。

もうピンときましたよね?

土壌と細菌たちの関係は、腸と腸内細菌の関係と非常に似ているのです。

自然界では、動物の死骸や糞は土壌中の細菌たちが分解して土に還してくれます。植物は細菌たちが分解して作ってくれたミネラルを根から栄養分として吸収し成長することができます。

人間の腸内でもこれと同じことが行われています。

私たちが食べた物は腸内にいる細菌たちが分解して栄養にしてくれます。私たちはそれを腸から吸収し栄養としているのです。

つまり、4つのグループの細菌たちが満遍なくいなければ、食べた物も十分に分解されません。ということは、せっかく食べても栄養として吸収できずに便として排出されてしまうことになるのです。

分解だけじゃない!細菌たちの働き

腸内細菌は分解だけでなく様々な役割があることも分かってきました。

腸内細菌は私たちが健康に生きていくために必要なアミノ酸、ビタミン、ドーパミン、セロトニン、免疫刺激物を作るということです。

たくさんの仕事をする細菌たち一つ一つについて、はっきり分かっていることはまだ多くありませんが、4つの成分を分解する細菌たちを腸内にバランスよく棲まわせておくことが、私たちの健康にとって非常に大切なことと言えるのです。

まとめ

土壌菌と腸内細菌の関係について、わかりましたか?

私たちの腸内にいる細菌と土壌中にいる土壌菌が同じ働きをしているなんて驚きましたね。

まさか、細菌たちが今の地球上の環境を作ってくれて、さらに私たちの健康を作ってくれているなんて!

ひとつひとつの菌をみていたら、分からないことでしたね。