腸内細菌の役割

腸内細菌が大事大事と言われているのに、具体的に腸内細菌が何をしているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

腸内細菌の働きについて、東京大学名誉教授の光岡知足先生が「腸内細菌は宿主のために腸に棲み着いて、宿主が食べたものから、その宿主に必要なアミノ酸、ビタミン、ミネラル、ドーパミン、セロトニン、酵素、免疫刺激物を作っていて、腸管にバリアを張り巡らし、病原性の細菌の侵入を防いでいる」と言っています。

免疫力は腸内細菌にかかっている

免疫とは病原体から身体を守る為に備わった防御システムのことで、白血球やリンパ球、抗体などがその役目を果たします。

腸管上皮にいる腸内細菌たちが、腸にいる免疫細胞や組織を活性化させ腸内で問題のある物質を見つけると全身の免疫系にも働きかけ注意をよびかけます。

野菜からの栄養は腸内細菌がいないと分解・吸収できない

私たちはよくお野菜が大事と言って一生懸命食べます。植物繊維の大半がセルロースですが、人間にはセルロースを分解する酵素を自分で作り出すことは出来ません。ですのでいくら野菜や果物を食べても、腸内細菌が居なければ野菜の細胞壁の中のミネラルが身体に吸収されないのです。

いくらお野菜を食べたり野菜ジュースや青汁を飲んでも、お尻から細かくなって出てしまうだけで栄養は吸収されません。

「幸せ」も腸内細菌のおかげ

セロトニンは、精神の安定と幸福感をもたらすホルモンであることから「幸福ホルモン」と呼ばれ、セロトニンが多いほど幸福感・精神の安定感が得られと言われています。このセロトニンの約9割が腸内細菌でつくられています。

うつ病の患者には脳内セロトニンの量が少なくなっているというデータがあります。またパーキンソン病についても、脳内で働くドーパミンというホルモンが不足していると発症します。

私たちは、腸内細菌をいじめています

添加物に使われる保存料は殺菌剤で、腸内細菌の増殖を抑えます。殺菌剤や消毒液や抗生物質は腸内細菌を殺すものです。

加工食品や冷凍された食品、袋入りのカット野菜も加工の際に殺菌しますので、そこには菌は居ません。添加物など、これらの化学物質も腸内細菌を殺すものばかりです。更には歯磨き粉やマウスウォッシュなどにも殺菌剤が使われています。

私たちとともにいる細菌は体を健康に保ってくれる共生者です。それなのに人は自ら進んで腸内細菌を殺しています。そのため、昔は多くなかったアレルギーや生活習慣病、がんなどの疾患が増えてきてしまっています。食事や生活が豊かになった反面、このような弊害が増えてきているのです。